魔法少女ブラディバケット

 以前書いた趣味小説用設定の、確認用テストコード。こんなノリが最近好きになってきた。タグのミノタウロスで過去のメモが読めるです。

 ブラディバケットが『ミノタウロスの城』に対する威力偵察を命ぜられたのは、夕焼けの美しいとある秋の日のことだった。
 (やっかまれているのだな)とBBは思った。自分は任務に忠実だった。そのことについては胸を張っていえることだ。
 だが、結果はついてこなかった。


 BBは地球に派遣されている魔女の中では古参の部類で、戦歴もそれに見合うものを持っている。魔獣軍との儀式戦闘はもちろん、政治がらみの「まじめな戦争」から、地球人相手の工作まで広く経験をつんでいる。
 ここまでは誇るべき経歴だ。しかし、どういう運命のいたずらか、BBが参加した作戦はなぜか深刻な流血騒ぎとなることが多かった。けしてBBが原因というわけではない。いくつかの偶然、いくつかの不運が重なり、常にBBと周辺の者を傷つけるのだ。
 BB本人は人当たりのいい好人物であったため、周囲はBBの扱いに手を焼いた。
 死神、という渾名はつかなかった。
 変わりについた渾名がブラディバケット、血のバケツ。バケツいっぱいの血を流さないではいられない女、というわけだ。
 いつも、汚名を返上したいと願っていた。いつも、自分の運命を呪っていた。
 死にたいと思ったことすら、確かにあった。


 (だが)と、BBはこっそりと自嘲した。
 (わかっていたけど。やっぱりつらいよ、死を願われているというのは)

 ブラディバケットはくすくすと笑った。
 ブラディバケットはさめざめと泣いた。

プチ設定メモ

  • 女王国は魔法少女が活躍する軍事独裁国家
  • 魔獣軍は女王国と対立するクリーチャー集団

 こいつらは地球を舞台に儀式戦闘に明け暮れているが、両勢力からの離反者や地球人で秘密を知った者をボコることでは協定を結んでいる

 離反者たちの拠点のひとつ。入ると死ぬデスメイズ

 表の名前は石野要
 元ネタは第二次世界大戦中に数ヶ月で二回全滅したことで名高い米軍第28歩兵師団
参考:28th Infantry Division (United States)