簡単な想像・生活必需品の更新

 想像してみて欲しい。あなたは雪国に住んでいるとする。暖房器具は生活必需品であり、端的に言ってないと死ぬ。
 さて、あなたは長年あるメーカーの暖房器具を所有しているとする。ちょっと騒音が大きかったり燃費が悪かったりするが、少なくとも故障は無く、騒音も燃費も改善の余地がある。
 あるとき、別のメーカーがあなたに言う。「うちの暖房器具は騒音も燃費もずっとよいので、次の更新ではうちを選んでください」。
 今までの実績がある暖房器具。カタログスペックは優れているが実績はない暖房器具。
 あなたはどちらを選ぶだろうか。
 繰り返すが、暖房器具がないとあなたは死ぬ。試しに使って駄目だったら死ぬ。


 もちろん、カタログスペックに優れた暖房器具は良いものかもしれない。担当者に問い合わせをすれば、きちんとした応答が帰ってくる。それならば、信頼も出来るし、まぁ更新しても良いだろう。
 だが、問い合わせをしてもまともな返答が得られず、素人を煙に巻く言動に終始するようなら信頼できない。当たり前である。


 歴史に教訓を求める軍オタはだいたい国防についてこう考えている。希望的観測に満ちたバラ色の未来ではなく、一歩一歩改善されていく堅実な未来を求める。
 なぜなら、バラ色の未来を約束するものは、大抵の場合、信じるものを破滅させる悪魔の親戚に過ぎないからだ。
『騙されたと思って』だとか『試しに一度やらせてみる』だとかいう人間を信じるな。
 彼らは他者を説得する言葉を持たないか、信じられないほど愚かなのだ。