小説を書いている話

 某所、というかライトノベル作法研究所さんの所に小説の投稿とかをしていた話。
 いい年してライトノベルかよ、という話もあろうが、実験的小話を投稿してレスポンスがあるというのは面白いと思った十五の夜。
 というかですね、小話を読んでくださった方々が感想とともに点をつけてくれまして、これが意外にやる気につながるなぁと。
 日記再開の理由も、投稿した小説を埋もれさせないで公開していきたいからだったりします。
 というわけでゴー。

犬の戦記

 双眼鏡を渡され、見るべきものを示された。
 俺たちが今いる場所は、駅前の古いビルの二階にあるファストフード店の窓際席だ。俺は手のひらサイズの双眼鏡で斜向かいのビルを見た。一階のコーヒーショップに入っていく、ブランドもので身を固めた若い女の姿が見えた。見た目は、まぁ美人の範疇に入る。片手に持っているのは、服装と似合わない大手電機量販店の紙袋だ。
「あの女は」
 と先生が言った。
「ブランドものに金を使いすぎた女子大生だ。金を借りるあてがなくなり、最後に闇金に手を出した。首が回らなくなったところを、私が闇金から買い取った」
 先生はポケットから奇妙なものを二つ取り出した。
「無線式の来客用チャイムだ。どこでも買える」
 そういうと、先生は片方のボタンを押した。先生の持っていたかばんから、ピンポーンと俺たちがいる店のチャイムと同じ音が鳴る。あくびをしていた店員が反射的にいらっしゃいませといい、客が入ってこないことに首をひねる。
「もう一つの方を押してみろ」
 俺は言われた通りにもう一つのボタンを押した。
 斜向かいのコーヒーショップが吹き飛んだ。

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