対テロ戦争と各種ノウハウ

 イラクおよびアフガニスタンでの対テロ戦争について語る。
 例によって特にまとまりのない文章であるため、各人は各種情報ソースに当たって補完されたい。

 911テロに端を発する対テロ戦争は、軍事予算の上昇とともに各種の戦訓・ノウハウの発生、民生技術の発展による武装勢力の能力向上、「命の値段」の極端な差異による戦術上の問題など、これまでの軍事的常識を覆す形で進行している。
 主要参戦国であるアメリカにおいてこれは顕著で、向こうの軍事雑誌(Infantry Nagagine等)には現場からの声が多数載っていて面白かったりする。


 一般の方にもわかりやすいだろう例として小銃のスリング(負い紐)について語る。スリングは、兵隊が小銃の保持をする上で重要な装具であるため、現場からの声で常に改良が行われ、現在ではかなり高性能なものが出ている反面、理論先行によりぶっちゃけこれ使えないんじゃね? 的なものが高評価を受けていたりもする。
 ここで一点スリング、二点スリング、三点スリングを比較する。
 一点スリング、三点スリングは銃の保持という点できわめて優れているが、

  • 一点スリング  両手を使用する必要が生じ、スリングだけで保持する際は持ち替えが面倒くさい
  • 三点スリング  銃の側面がスリングでふさがれた形になり、急な動作の際ぶっちゃけ邪魔

 という欠点がある。二点スリングはこれら先進的なスリングと比べ通常の銃保持時にだるくはあるが、長さの調整が簡便であれば各種状況にきわめて即応性が高く、使い出がよい。ある記事では、二点スリングとして大型水筒用のプラスティックバックルのベルトを使用する例が出ていた。


 ちなみに二点スリングなんて使えねーよバーカバーカという人用に使用例をあげると、警戒時および戦闘が想定される状況においては

  • スリングをいっぱいに伸ばし、首からかける
  • 右肩を入れて(左肩からかける形にして)持てば腰だめでの保持
  • 左肩を入れて(右肩からかける形にして)持てば体前面での保持

となる。後者は銃口を下に向けて保持するのがマジ楽でお奨め。そして、両手を使う必要が出た場合等にはスリングを短くして体に密着させれば邪魔にならない。

 機会があれば武装勢力の戦術についても書きたい。